「父が亡くなり、相続手続きを進めようとしたところ、相続人である母が認知症になってしまいました。このまま遺産分割はできるのでしょうか?」

司法書士としてこのようなご相談をいただくことがあります。

高齢化が進む現在、相続と認知症の問題は決して珍しいものではありません。
そして、相続人の中に判断能力が十分でない方がいる場合、相続手続きは思わぬところで立ち止まってしまうことがあります。

遺産分割協議は、相続人全員が内容を理解し、自らの意思で合意することが前提となります。
そのため、認知症などにより判断能力が著しく低下している方がいる場合、その方を含めた遺産分割協議を有効に行うことはできません。

このようなケースでは、これまでは家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立て、成年後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加することが一般的でした。

しかし、成年後見制度には、「一度利用すると原則として本人が亡くなるまで制度の利用が続く」「財産管理について広い権限が後見人に与えられる」といった特徴があり、必要な手続きが終わった後も制度の利用が継続することなどが課題として指摘されてきました。

こうした状況を踏まえ、現在、成年後見制度は大きな見直しが進められています。
法制審議会では、本人の自己決定をより尊重し、必要な場面で必要な範囲だけ利用できる制度への改正が議論されており、一定の手続きが終われば後見を終了できる仕組みなど、より利用しやすい制度への転換が予定されています。

制度がより使いやすくなることは歓迎すべきことですが、一方で変わらない点もあります。

それは、認知症になってからでは、本人だけで有効な遺産分割協議を行うことはできないということです。

つまり、成年後見制度が見直されたとしても、相続手続きを円滑に進めるためには、元気なうちから備えておくことが大切です。

その備えとして、特におすすめしたいのが遺言書の作成です。

遺言書があれば、遺産分割協議を行わなくても相続手続きを進められるケースが多くあります。
例えば、「預貯金は全て長男に相続させる」等といった内容をあらかじめ遺言書に残しておけば、相続人の一人が認知症になってしまった場合でも、遺産分割協議を経ることなく手続きを進められる可能性があります。

作成した遺言書の内容によっては別途手続きが必要となる場合もありますので、遺言書にどのような内容を記載していくのかは、非常に重要な問題です。

認知症は誰にでも起こり得る身近な問題です。「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、相続は突然発生することがあります。

相続対策は、「財産をどのように分けるか」を考えるだけではなく、「残された家族が安心して手続きを進められるようにすること」も大切な目的の一つです。

将来、ご家族が困ることのないよう、元気な今だからこそできる準備があります。
遺言書の作成や相続について少しでも気になることがございましたら、お気軽に芦屋相続終活センターまでご相談ください。

◇芦屋相続終活センターでは、相続のトラブルから、相続登記を含む相続手続きまで、芦屋に根付いた相続の専門家集団がワンストップ対応致します。

◇公正証書遺言の作成や生前贈与などの生前対策だけでなく、遺産分割協議や遺留分侵害額請求などの相続発生後に生じるトラブルにも対応しています。

◇当センターでは一度に、各専門家と同時にご面談することも可能ですので、各所に行く手間や、同じ資料を各所に送付したり、各所と連絡のやり取りをする手間が省けます。

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